
「乾季の2月から3月くらいの間、わしらは自慢のヤシ酒を朝から晩まで呑んで暮らすのさ。味だって樹によって違うものなんだ。あそこのは美味いとか、こっちのがいいとか。みんなよく知ってるものさ。
朝早くに、男達がヤシの樹にスルスルと登っていって、幹のことろにナイフでちょっとキズをつけるんだ。そこに竹筒を差し込んで、ゆっくりゆっくり、夕方まで一滴ずつヤシのジュースをいただくんだ。夕方になるころには充分に自然発酵して、とびっきりのタディができあがるってわけだ。これを子どもから年寄りまでみんなで呑むんだ。栄養がたっぷり採れて身体にもいい。でも、タディを採るのは男だけの誇り高い仕事なのさ」
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